以前、この会社ができてばかりの頃

デベロッパー出身の宅建主任(今は宅建士)のお兄さんに手伝っていただいていた頃がありました。

当時は良くわからなかったのですが、当時既にその方は不動産コンサルティング技能の保有者だったんですね。

当時の私も含めてなのですが、おそらく不動産コンサルティングといってもピンとくる人は少ないと思います。

それもそのはずで、これは最近わかったのですがなぜなら不動産のコンサルティングが必要な資産規模は概ね10,000万円以上からだからです。

そうでないとコンサルティングフィーだけで赤字になりますし、コンサルティングする内容もあまりなく、どうしても税理士の税務相談範疇を希釈したようなFP的な会話で終わってしまうんです。

そもそも、資産を10,000以上持っていたらそのくらいの知識は相応にありますし、なかったら溶けているはずです。仮に正確な知識がなくとも相当ファイナンシャルリテラシーやその素質があるわけで、だから10,000以上の資産があると考えるのが適当です。

なので普通は知識があった上で経営判断は別問題と経験的に知っているが故にコンサルタントを付けるんですね。

そのせいで一般に馴染みがなく、それゆえに怪しまれてしまうこともあるのですがこれはとんでもない思い違い。

私自身が宅建士を自分でも取得してからわかったのは、不動産鑑定士にしろ不動産コンサルティング技能にしろすさまじくエリート中のエリートです。

この誤解が生まれる背景にはもう一つ文化的要素があって、日本でコンサルティング業というとどちらかと言えば説明業に近くなってしまいがちですが、世界的にはコンサルティングというとそれなりに地位が高い知識労働者です。

それに、国外では基本的に知識階級はその地位が国に守られています。

たとえばIFAなんかはわかりやすいと思うのですが、イギリスで国家試験を通過し英国当局の免許承認がなければ顧問活動ができないことになっています。

教師も海外で教師というと日本でいう地方上級以上の地位ですし、高級取りのエリートであることが一般的です。

知的産業がある、という国ではコンサルティング職もかなり地位が高いのですね。

ところが日本ではごく最近まで(具体的には2004年頃までは)不動産や金融、商業のルールが未だほとんどありませんでしたし、あっても実態にはそぐわずにほぼ効力を為さない条文でした。

その関係で不動産は闇社会と言われるような始末でしたが、宅建業法や民法の充実、不動産適正取引推進などの血のにじむ努力によりこの2~3年でかなり改善されています。

以前はなかった広告の批准や営業妨害の禁止など多岐にわたるルールが設定され、相当明るくなったと言えます。(おとり広告の禁止などが有名です)

まだまだ不動産コンサルティングの認知度は低いのですが、賃貸経営のパフォーマンスを科学的に検証できるという投資コンサルに限りなく近いもので、これまで日本にコンサルティング職の国家資格はなかったのですがいずれこういった知識職のための制度が充実していくのではないか?という見方も出てきます。

未だかなりの時間を要するかもしれませんが、日本でもいずれ知識労働者の地位が(公共需要ではなく民間需要で)確立し、専門性に対し敬意が払われる時代が来ると良いですね。

ちなみに、そのお兄さんのことを私は池袋のただのチャラい兄ちゃんくらいにしか思っていませんでしたが、もちろん訂正しました。笑

今からするとかなりエリートだったと思いますし、高度な仕事を周りにわからないように?気立ての良い雰囲気でこなしていたんだなぁと頭が上がらない思いです。