「 美 」の感覚で、

人の暮らしを豊かにしたい。

 私たちの暮らしは、この100年でどう豊かになったのでしょうか。

 言うまでもなく、先達の努力の甲斐あり、有難く物質的に困ることはほとんどなくなりました。

 一方で、インターネットの普及で情報の取得コストは下がり、過熱化するグローバル化は日本に再度開国を迫っているのが現状です。

 とはいえ、実際には海外に比べればグローバル化の影響は比較的緩やかで、一部の外資系企業にお勤めの方でもなければ、切迫して国際基準に生活を合わせる必要性は、普段の生活からは考えにくい、というのが多くの方の実感ではないでしょうか。

 しかし、海外へ渡航する機会も指数関数的に増えている今、「工業社会の高度化」から、「文化社会の高度化」への扉が開かれたとも言えます。

ところで、生活にかかる資源をどのように開発するか、ということは生活文化を考えるに等しいといえ、それは不動産や財産配分(=経営)の領域がかなりのウェートを占めていることを暗に指しています。

 そういった原理から考えると、元来、我々商業側の人間があらゆる業務の頭書として着手すべき責務や成果とは、一にも二にも、「どのような生活文化を築くか」ということに尽きるでしょうし、少なからず私は事業を経営する上で、少なくともオペレーションの設計上に於いては、これ以外のことに考えていることは特にありません。

 その意味において、資産家あるいはそれに準ずる事業者や従事する人物とは文化に繊細であることが一つ目の条件なのではないでしょうか。

 そして、文化を象徴するのは先第一には美的感覚であることが知られています。あるいはその感性です。なぜならそこには「不要の要」があるからです。

 スイスやドイツの街並みを歩いていますと、おのずとその不要の要が人々をいかに豊かな気持ちにさせているか、ということを学ばされます。

 もし人間が必要性だけに着眼点を置いていたならばこれだけ表情豊かな生活は手にすることはなかったでしょう。

 人は生きる上で幸せを味わうために生まれてきました。それに必要なものは既に与えられていますから、既にあるものをどのように活かすかだけを考えれば良いようなものですが、ある種その加工プロセスはプロセスに携わる人間次第といえますし、それが産業であるとも定義することができます。

 「選ぶ力」が人のセンス(感性)であり、選ぶ力とは自分や周りの人々を豊かにする力だと言えそうです。その点に於いては、美術は我々にあらゆる知恵を与えてくれます。

 私がこの承継支援や経営コンサルティングの仕事を通して実現したいことは、実際に手に取ることのできる美しい風景を街中に作り出すことで、心の豊かさの幅を広げていくことです。そして、不要の要を思い出させることを、お客様、従業員、株主の皆様と共に一座建立していきたいと考えています。

代 表 取 締 役 社 長

香 坂  正 彦